エゾシカ肉が大好きで、自分でエゾシカを狩猟でとってみようかと思っていた私。
パートナー氏に相談してみると。
学生時代に取得して、更新だけして実際に使うことはせずに持っているというのです。
パートナー氏のこれからに期待しつつ、せっかくなので狩猟する時に必要なものやかかるコスト、狩猟について調べてみました。
- 北海道で狩猟するにはどうしたら良い?
- 狩猟するのにかかるお金が知りたい
- 狩猟と駆除って何が違うんだろう?
- エゾシカとるとお金もらえるって本当?
などについて調べた事をまとめてみました。
気になっている方の参考になれば幸いです。
狩猟に必要なもの
狩猟する時に守ること
- 狩猟免許など必要な免許や申請を行っている事
- 捕獲して良いエリア
- 捕獲して良い時間や時期
- 使って良い道具
- とっていい最大頭数
- とった後は結果を報告すること
などの約束を守る必要があります。
狩猟免許の種類
狩猟免許には4つ種類があります。
- わな猟
- 網猟
- 第一種銃猟 散弾銃など装薬銃・空気銃
- 第二種銃猟 空気銃
免許の種類によって、狩猟の際に使える物が変わります。
免許取得にかかる費用
内訳
- 受験料 5,200円
- 講習料 10,000円
- テキスト 1,500円
免許の種類にかかわらず、受験料は同じで、試験に受かりやすくなるために講習を受ける事が推奨されています。
- 1年有効の狩猟者登録 1,800円
- 狩猟税わな・あみで8,200円
- 一種で16,500円、二種で5,500円
- 猟銃を持つ申請や許可の為に数万円
- 実際の猟具にわなだと1万円前後から猟銃だと10万円前後まで
更に装備や移動で使う車やガソリン代など様々な経費がかかる事になります。
猟銃を持つとなると、保管場所が必要になるのでガンロッカー(3万円くらい)を用意するか、月額数千円で預けられる場所にお願いする必要もでてきます。
免許を持っているだけなら、3年ごとの更新費用だけが必要になるので実費などはかからない、という事なんだそうです。
狩猟する、となると1年有効の狩猟者登録をする必要があります。
ちなみに、殺傷能力が高いライフルなどは狩猟免許があれば誰でも簡単に持てる、というものではありません。
銃刀法に基づいて守らなければならないことや、保持しても大丈夫と認められなければ持てないことになっています。
狩猟が出来る時期
- 北海道では10月から翌年1月31日までの4ケ月
- 道外では11月15日から2月15日の3ケ月
銃猟は時間も決められていて、日の出から日没までと決められています。
体感的なものではなく、きちんと国立天文台が出している時刻になります。
- 冬以外は農業などの為に森林に入る人がいて、罠や誤射で人に危険な影響を与える可能性があるから
- 動物たちが冬眠前で美味しい時期だから
- 渡り鳥が越冬の為に来ているので獲物がたくさんから
などの理由があります。
昔から伝統的に冬に狩猟が行われていた、という事も理由の1つなのかもしれません。
狩猟対象動物って?
エゾシカとかヒグマとかカモなど色々います。
- 増えすぎると人の生活&農林業に被害を受ける
- 伝統的に獲られていた
ものが狩猟対象となっています。
北海道ではヒグマやエゾシカ、カモなどが対象ですが、環境省によって5年ごとに見直されているので、狩猟をするぞ!という時に確認が必要になります。
- 卵やヒナはとってはいけない
- 動物の性別によってはとってはいけない
- カモなどは1日の捕獲上限が決められている
- 危険なとりかたはしない
などとり方についても守らなければならない事があります。
わな等では禁止されているものもあり、昔話などで出てくるような、とらばさみは使用が禁止されています。
その他、無意味に動物を苦しめるようなものも禁止です。
また、落とし穴や爆発物など、人間にも危害がでるようなわなも禁じられています。
狩猟免許と登録証があればどんなとりかたをしても良い、というワケではないのですね。
報奨金が貰えるって話
- エゾシカ 6,000円~1万円
- ヒグマ 1万円
たろう氏いわく、よく耳にするものでいうと、こんな金額のようです。
動物からの被害の状況によっては報奨金額も変わるそうなので、あくまで目安程度です。
その都度市町村や猟友会に確認すると良いのかもしれません。
狩猟登録している市町村に提出する事で報奨金が貰えるようになっています。
申請書を用意してとった動物の写真や1部など、決められたものを提出する必要があります。
エゾシカなどは指定された写真の撮り方をする必要があったりと、市町村で対応も違うとのこと。
クリーンキル
動物への敬意と愛を持って頂きましょう、という事で苦痛を与えずに狩猟を行う事が推奨されています。
シカに苦痛を与えず、肉も理想的な状態で得られるというメリットがあります。
もし、急所を外してしまうと…シカは苦しんで逃げてしまったり、
内臓を破損させてしまった場合、内容物で肉が汚染されて、食べる事ができなくなります。
頭部や脛椎(首あたり)、心臓を狙う事でクリーンキルが実行できるとされています。
自分以外にエゾシカを提供する場合
とってきたエゾシカを売る
ジビエ(狩猟してきた動物)をお店などで獲物を売るとなると、守らなければならない事がたくさんなります。
野生鳥獣を食用利用するルールが作られるようになったのは2006年頃からです。
2014年には「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」が設けられ、国からの管理基準が出されました。
2018年度から農林水産省主導で「国産ジビエ認証制度」が制定されています。
ガイドラインに沿って、消費者への安心安全を実施していると認められると認証してもらえるようになりました。
エゾシカを提供する為に
北海道では「エゾシカ衛生処理マニュアル」も作られました。
不特定or多数の人に野生動物を提供する側が守らなければいけないことです。
- 狩猟する時に大事な事
- 放血から運搬時の注意点
- 食肉として処理する施設が守る事
- 加工、調理、販売する時の約束事
が細かく決められています。
どのくらい細かいのかというと、ハンターや対象の野生動物が『健康』であるかという事から始まっているくらいです。
そして、ジビエ処理施設や飲食店でジビエを扱う場合は、HACCP(国際基準の衛生管理)を元に行う必要があります。
ちなみに今では学校給食にもジビエを活用するなども活発になっていていて、北海道ではエゾシカが給食に出ている所もあります。
エゾシカが駆除対象になるまで
ざっくりと日本の狩猟についての歴史と一緒に、北海道でエゾシカが駆除対象になるまでをまとめてみました。
- 生活の糧に必要なだけとる
- 江戸時代は農民の猟のためといっても銃は持てなかった
- お金稼ぎの為にたくさん欲しい
- 明治以降農民も持てるようになり、一時野生動物が減る
特に戦争のときには軍需用品にも食糧としても野生動物をとっていました。
しかし、戦後の1960年代の高度経済成長で、肉や毛皮の必要性も変わっていきます。
- 家畜の生産流通体制が整った
- 化学繊維が出てきた
- 外国産の毛皮の方が安くなった
為にわざわざ狩猟をする必要性がなくなってきたようです。
エゾシカは昭和前半くらいまでは保護対象になっていましたが、
1980年代くらいになると増えすぎた為に農業被害が出てきました。
農業被害が出る、という事でエゾシカの駆除が行われるようになりました。
なんでエゾシカが増えたの?という事などについてはこちら↓をどうぞ。
駆除と狩猟の違い
駆除は、農作物などに被害を出す野生動物を獲ることです。
春~秋に行うもので、猟友会などからの許可が必要になります。
調べてみると、地域によっては駆除に参加してくれる地域おこし協力隊を募集していたりするようです。
- ヒトの食べる農産物を食べた時
- ヒトが飼育している動物の餌を食べた時
が被害だと言われています。
- 自分の育てた果物を収穫して売ってベルにする
- でも、誰かに食べられたり取られたら自分がベルを得られない
- 相手から自分の果物を守る為に対策を立てると、さらにベルが必要になる
つまり、シカが増えた今となっては金がかさみまくってるという事になってるんですな。
狩猟はある意味レジャーのひとつで、主に個人が自分で消費する為に行われています。
最後に
北海道でエゾシカを狩猟したい、と思った時に必要な事やかかる費用についてまとめてみました。
エゾシカを自分で取ってみたい、と思ったもののパートナー氏に頑張ってもらった方が現実的だと思っています。
以上、エゾシカ肉大好きな食いしん坊の十勝民・おかめでした。
>>エゾシカは狩猟と飼育モノで味の違いがある?食べ比べしてみた
>>エゾシカと車がぶつかった時の対処は?コープさっぽろで売ってる理由は?豆知識まとめ
参考書籍など
狩猟読本 一般社団法人大日本猟友会
これから始める人のための狩猟の教科書 東雲輝之
チカト商会サイト https://ec.chikatoshoukai.com/