歴史

帯広のとてっぽ通りの機関車は何?十勝鉄道と稲田の日甜(日本甜菜製糖株式会社)の関係

okamehan
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2019年の夏に放送されていたNHKの朝ドラ『なつぞら』。

主人公・なつが学校で演劇をするのを見に来た夕見子が「トテッポで来た」という話をしているシーンがあったのを、覚えている方はいるでしょうか?

トテッポ。十勝帯広に住んでいるなら、一度は聞いた事がある名前です。

たろう
たろう

とてっぽ通りは聞いた事あるけど、トテッポってなんだ?

おかめ
おかめ

とてっぽ通りを走っていた電車の事ですってよ

『トテッポ』は昔、十勝・帯広市内に走っていた十勝鉄道の愛称なのです。

その十勝鉄道を走らせていたのが、日本甜菜製糖・略して日甜でした

その線路の名残が、とてっぽ通りとして今でも親しまれています。

  • とてっぽ通りと鉄道の関係
  • 十勝鉄道って何?
  • 日甜が鉄道を走らせた理由
  • 日甜・ビート資料館が気になってる

など、トテッポに関する事について、調べた事を簡単にまとめてみました。

帯広観光がてら美味しく歴史の勉強がしたい時の参考になれば幸いです。

※現在、十勝鉄道は走っていません。

十勝鉄道(トテッポ)って何?

トテッポが走っていた『とてっぽ通り』

帯広のとてっぽ通りを走っていた十勝鉄道と日甜の関係・高橋まんじゅう屋の包装紙の秘密

帯広の西5条通りのウラに走っているとてっぽ通りは、春になれば桜が美しい散策路です。

北海道ホテルやイオン帯広店の傍らを通り、稲田のイトーヨーカドー付近まで続いています。

チーズケーキなどで有名な十勝トテッポ工房もあり、散歩がてらのお茶にも丁度良いんですよね。

帯広のとてっぽ通りを走っていた十勝鉄道と日甜の関係・高橋まんじゅう屋の包装紙の秘密

トテッポ、というのは“十勝のぽっぽ(電車を意味する言葉)”が愛称の由来

という説があります。

春には桜が綺麗で、お茶もしやすい散歩道。というのが、私のとてっぽ通りの認識です。

このとてっぽ通りには、昔、日甜の敷いた私鉄・十勝鉄道が走っていました

今ではとてっぽ通りの途中・イオン帯広店の駐車場に近い場所に機関車が展示されています。

帯広のとてっぽ通りを走っていた十勝鉄道と日甜の関係・高橋まんじゅう屋の包装紙の秘密

何度も散歩で通ってきた道ですが、実際に『ここに機関車が走っていた』という理由を私はイマイチ分かっていませんでした。

その理由がはっきり分かったのは、日甜のビート資料館に行ったおかげです。



十勝鉄道が敷かれたワケ

帯広のとてっぽ通りを走っていた十勝鉄道と日甜の関係・高橋まんじゅう屋の包装紙の秘密

十勝鉄道は、1920(大正9)年~1959(昭和34)年まで走っていた日甜の鉄道です。

日本甜菜製糖株式会社を縮めて、日甜、と呼ばれています。

この日甜はビート(甜菜)から砂糖を作る会社で、北海道内でビート栽培を盛んにした立役者でもあります。

日甜の歴史やビートから砂糖を作る過程を分かりやすく展示・解説してくれるのが、ビート資料館です。

おかめ
おかめ

満寿屋麦音店のお隣にあるよ

このビート資料館、なんと館長さん直々にお話をして一緒に回って下さいます。

その館長さんの日甜愛が凄い事と言ったらありません。

たくさんお話を聞かせて下さったので、どうして十勝鉄道を走らせたのか?というのが分かりました。

館長さんのお話を要約するとこんな感じ↓

日甜が私鉄を帯広駅まで作った理由

  • 当時は、甜菜などの運搬には馬車を使うのがポピュラーに考えられている時代。
  • しかし、馬車では時間もかかるし、一度に大量に運ぶ事ができない。
  • その為、運送費がかかって、経営失敗、倒産する製糖工場が多かった。
  • 日甜では、同じ失敗をしない様、一度に大量に運ぶために私鉄を敷く事にした。

つまり、コスパよく砂糖を運ぶ為に十勝鉄道を作った、という事なんですね。

たろう
たろう

じゃあ、なんで夕見子はトテッポで来れたの?

答えは、周辺住民が乗りたがったから。

電車に乗りたい、という近隣住民の要望を受けて、お客さんも乗せてあげるようになったのだそうです。

遠くから帯広へ働きに出たりする人に、とても喜ばれたそうですよ。

結果として、十勝・帯広の発展には日甜がとっても貢献していた

という事もビート資料館の館長さんは熱く語ってくれました。

やがて、十勝鉄道は帯広駅から八千代方面、戸蔦方面などを繋ぐ存在になっていきました。

ちなみに、十勝の観光スポットとして有名な駅である、愛国駅&幸福駅は国鉄・広尾線の駅になります。

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 ビート資料館

帯広のとてっぽ通りを走っていた十勝鉄道と日甜の関係・高橋まんじゅう屋の包装紙の秘密

ビート資料館・基本情報

  • 入館料 大人300円・大学生200円・小中高校生・100円
  • 開館時間 朝9時30分~16時30分
  • 休館日 8月15日・9月5日・12月29日~1月3日

ビート資料館を見た後に麦音でパンを買う、という事もしやすいですね。

ちなみに私が行ったときには、おみやげにお砂糖がもらえました。

ビート資料館・所要時間

ビート資料館の館長さんが案内してくれる場合、最低でも1時間は必要です。

2時間はかけても平気!ってくらいの心持でいくと間違いないと思います。

館長さんの話を詳しく聞いていると時間があっという間なので、30分なんかじゃとても足りません。

また、案内無しで館内を回るよりも、館長さんの案内があった方が断然勉強になって楽しいです。

ビート資料館・見どころ

資料館に入ってすぐ、ステンドグラスが見えたり、十勝鉄道が走っていた頃に使われていた道具などが展示されています。

ビートと十勝の歴史や製造工程などを、実際に使われていた道具や映像資料などで分かりやすく知る事ができる

ビートの標本もあり、砂糖になるまでの製造工程を見て行くとちょっとした感動を感じます。

上白糖やグラニュー糖などの、砂糖自体の種類の違いもしっかり学べるようになっています。

たろう
たろう

館長さんの説明が濃くて面白い!

日甜愛溢れる館長さんの説明が一番の見どころ…もとい、聞きどころだと思います。



最後に

トテッポに関する事について、一気にご紹介させて頂きました。実際に見て知りたい!という気になったなら、

  1. ビート資料館でお勉強をしてから
  2. とてっぽ通りで機関車を見て
  3. 十勝トテッポ工房で一休み
  4. 高橋まんじゅう屋の包装紙を眺めながらおやきを食べて歴史に浸る

というのが私イチオシのプランです。

せっかく十勝観光に来たのに曇ってたり雨で見晴らしが悪い!なんていう時などに楽しんでみて下さいね。

以上、美味しいご飯と歴史が大好き!な十勝民・おかめでした。

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古川おかめ
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北海道十勝で暮らすくいしんぼ。
歴史が好きで、図解やイラストも勉強中。

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